まずは「住みやすい」とされる街の特徴を把握しておきましょう。

・交通アクセスがよい
・生活利便性がよい
・治安がよい
・災害リスクが少ない
・子育てがしやすい

住みやすい街の判断基準は人によって異なりますが、主なものを挙げました。「駅に近い」「電車や地下鉄、バスの路線が充実している」など、交通アクセスがよい環境であれば通勤通学や買い物に出るのも便利です。
車で移動する人は「国道など大きな道路がある」「渋滞が少ない」などもポイントになります。スーパーやコンビニ、病院や学校など生活するうえで必要な施設が周辺にあるかどうかも重視したい点です。
そのほか、注文住宅を建てる際のエリアの選択には、さまざまな住みやすさのポイントがあるでしょう。

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本州のほぼ中央にあり、日本海側に位置する石川県。金沢市は石川県のほぼ中央にある街です。日本海側気候に属し、冬は曇りや雨の日も多く雪も降ります。
金沢市は山や海に囲まれ自然も豊富です。市内中心部を流れる犀川や浅野川などを水源とする用水も多く見られます。
また、加賀藩の城下町として栄えた歴史があり、風情ある街並みや建造物が残ります。伝統工芸や伝統芸能も有名で、観光地としても人気です。一方で、石川県の県庁所在地として交通網や商工業も栄えています。

石川県の中核都市である金沢市の公共交通機関について見ていきましょう。
金沢市には北陸新幹線が開通しているため、首都圏へのアクセスも良好です。金沢市には滋賀県の米原駅まで続く「JR北陸本線」のほか「北陸鉄道」「IRいしかわ鉄道」が通っています。津幡駅を経由すれば「JR七尾線」で和倉温泉まで、さらに「のと鉄道」で能登方面へもアクセス可能です。
バスについては、駅周辺を中心に広範囲に渡り北陸鉄道のバスが通っています。また、土・日・祝日限定の「まちバス」も運行。1回100円で乗車でき、駅周辺に出向く際に活用できるでしょう。

金沢市の主な道路は、元来、中心部から四方へ広がっていました。中心部を通り目的地に行く場合、中心部付近で渋滞が発生してしまいます。そこで渋滞緩和のために施された道路整備が「環状道路」の工事です。
現在、金沢市には金沢駅周辺を円状に走る「内環状道路」、西金沢駅と東金沢駅を含めたエリアの「中環状道路」が整備されています。そして海側幹線と山側幹線を有する「外環状道路」の工事も進められています。したがって金沢市の住みやすさとして、道路整備のよさも挙げられるでしょう。

参考：金沢市HP「金沢市の紹介」
参考：金沢市HP「環状道路」
参考：石川県HP「道路事業（金沢外環状道路）」

駅周辺や国道沿いに注文住宅を建てると、利便性がよく住みやすいのは確かです。しかし、注意点もあります。注意点や気になる点を、以下に詳しく解説していきましょう。

交通量の多い幹線道路沿いは、車の走行音が気になる場合があります。大型トラックが走行すると、家の揺れを感じることもあるでしょう。電車の線路沿いや新幹線の高架下も鉄道車両が走る音や振動が起こります。
空港に関しては、国土交通省が設置する騒音対策事業により、騒音被害の抑制が行われています。また、低騒音の飛行機の推進など飛行機自体の音の軽減もされているのです。
さまざまな騒音対策がとられていますが、音の問題が完全にクリアできるわけではありません。注文住宅の土地選びの際は注意しましょう。
また、防音対策をきちんとおこなった家づくりをおこなう住宅会社もありますので、家づくりを進めていく住宅会社を選定する際に、判断するポイントとしてもよいでしょう。

幹線道路沿いに家を建てると、気になるのが車の排気ガスによる洗濯物への汚れの付着です。とくに、幹線道路に面してベランダが設置されている場合、洗濯物や布団を干すのに抵抗がある人もいるでしょう。

線路や幹線道路沿い、駅や空港周辺などに住む場合、交通機関による騒音が気になります。では、騒音をできる限り防いで住みやすさを確保する方法はあるのでしょうか。騒音を緩和する防音対策について、述べていきましょう。

まずは「防音とは何か？」について解説します。防音とは外部の音が屋内に入り込むことや、逆に屋内の音が外へ向けて流出するのを防ぐことです。防音をするための対策として、以下の2つの方法が挙げられます。

「吸音」は音を吸収することで音の反射を抑え、音漏れをしにくくする防音方法です。吸音性に優れる建材として、グラスウールやロックウールなどが挙げられます。

具体的な防音対策の1つが、住宅の気密性を上げる方法です。気密性が高い住宅は、部屋の快適な空気を逃しにくく、外部の空気の侵入を防げるのが特徴です。夏は涼しく冬は暖かく、住みやすい環境を実現します。
気密性を高めると、室内温度を快適に保てるだけでなく、防音にも効果があります。とくに高性能の窓を設置することで気密性が高まり、外部の騒音が気にならなくなるでしょう。高性能の窓として、複層ガラスが挙げられます。複層ガラスはガラス間に空間が設けられており、空間層によって断熱効果や防音効果をもたらします。

断熱性の向上も、気密性と同様に室内温度の維持に効果的です。そして、防音にも繋がります。住宅の断熱材として用いられる種類は、グラスウールやロックウールなどの無機繊維系です。木質繊維系のセルロースファイバーは、断熱性と防音性に加え、結露の防止にも役立ちます。そのほか、ポリスチレンフォームやフェノールフォームなどの発泡プラスチック系の断熱材や、羊毛や炭化コルクなどの天然素材系の断熱材もあります。
断熱材を壁や天井の内側に施すことで、断熱効果を得つつ防音効果も取り入れられるでしょう。

住宅の防音に関しては、建材選びや構造もポイントですが、間取りの工夫も防音性のアップに効果的です。
幹線道路や線路沿いに、寝室や書斎など静かに過ごしたい部屋を設置しないように考慮します。また、寝室や書斎などプライベートな空間は、隣家のトイレやお風呂と離すのが理想です。可能な範囲で間取りに工夫を凝らすとよいでしょう。
このように間取りの工夫をしたい場合は、空間設計に優れている専門家にお願いすると寄り快適な生活を送れるでしょう。

家づくりでは、騒音への対策と同様に、セキュリティ対策も重きを置くポイントです。駅周辺や幹線道路沿いなど人や車通りの多い場所では、人目があるため空き巣などの被害に遭うリスクは低い傾向にあります。街灯や車の灯りなどにより、明るさも保てます。
一方で、人通りが多いと空き巣など犯罪目的の人物が通行人に紛れてしまう恐れもあるでしょう。したがって、セキュリティ対策は万全にしておいて損はないのです。以下に具体的なセキュリティ対策を挙げていきます。

警察庁がまとめた、2021年の侵入窃盗の発生場所別認知件数は、一般戸建て住宅が最多となっています（※1）。侵入手口としては、家主が施錠を怠ったことによる「無締り」に次いで「ガラス破り」も多い傾向です（※2）。
以上のデータを踏まえ、壊されにくく侵入されにくい窓ガラスの採用が求められます。具体的には、防音性の強化と同様に複層ガラスを用いるのが効果的でしょう。ガラス間の空気層があることで、侵入者が完全にガラスを割ることが難しくなります。また、窓へのシャッターや格子の設置も侵入しづらいため有効です。

侵入手口には、バールなどによる施錠部のこじあけや、ピッキングによる「ドア錠破り」も見られます。ドア錠破りを防ぐには「ワンドア・ツーロック」と呼ばれる二重鍵にする方法が有効です。鍵が2つあることで、空き巣犯が鍵を開けるために要する時間が増加します。警察庁によると、侵入者の多くは侵入に10分以上かかると諦める傾向にあるようです（※3）。二重鍵にすることで、空き巣犯の犯行を防げる可能性が高まるでしょう。
そのほか、リモコンキーやカードキーなどのスマートキーの採用や、ディンプルキーにする方法もドアの防犯性の向上に効果的です。

外構にもいくつか防犯性を上げる方法があります。家の敷地内に砂利を敷くと、砂利が擦れる音により空き巣犯などの侵入が判明しやすくなるため、侵入者は砂利を嫌います。
フェンスなどの設置は高さや、形状に注意を。高すぎるフェンスは侵入者の死角になってしまうため、逆効果です。隙間のない塀も目隠しになってしまいます。防犯性を重視したフェンスの高さは、150cm～180cmほどが適しています。また、格子状など目の大きい形状を選ぶとよいでしょう。

参考：警視庁「住まいる防犯110番」

ここまでの解説をもとに、金沢市で利便性がよく、かつ騒音が気になりにくいエリアをご紹介していきましょう。

北陸鉄道石川線の始発となる野町駅。2駅進むと新西金沢駅です。新西金沢駅に隣接する西金沢駅からJR北陸本線に乗り換えれば、金沢駅への移動もスムーズに行えます。
野町には、金沢の歴史情緒あふれる「にし茶屋街」も並び風情のあるエリアです。犀川を挟んで金沢城公園や兼六園もあり、観光地としても賑わいます。歴史が感じられる一方で、野町駅周辺には、食品のほか服飾店や飲食店などの専門店も入る「アピタ金沢店」や、スーパーの「マックスバリュ増泉店」があり、ショッピングに便利です。
隣駅の西泉駅近くには「コレクトパーク金沢」があり、スーパーや薬局、フィットネスなど複数の店舗が並んでいます。香林坊・片町エリアに足を伸ばせば、大型商業施設「片町きらら」でショッピングや飲食を楽しめるため、充実のエリアです。
野町および泉本町は国道や駅もあるエリアですが、道路や駅から少し離れると比較的静かな住宅地も広がっており、住みやすさを実感できるでしょう。

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金沢市で注文住宅を建てるなら、住みやすさを重視したエリア選びも重要です。交通アクセスがよく、商業施設やスーパーの多いエリアは利便性がよく住みやすいでしょう。
一方で、利便性がよいエリアは交通機関や人通りによる騒音が気になる場合も。そこで、防音対策を講じた家づくりがポイントになってきます。
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